PRUVとは?

PRUV®(フマル酸ステアリルナトリウム)は、医薬品錠剤製造時の滑沢剤として広く使用されています。

PRUV®は白色の微粉で特徴的な板状形状を有しており、平均微粒子径は約15ミクロンです。

PRUV®の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)

PRUVの利点

医薬品の安定性の向上

PRUV®は比較的不活性です。このことによりAPIとの相互作用を避けることができ、APIの安定性にすばらしい結果をもたらします。

ステアリン酸マグネシウムはアスピリンの様な強酸や、アルカリ、鉄塩、有機塩、カルボニル基、カルボキシル基、スルホ基を有するAPI、数種のビタミンと相互作用を起こす可能性があります。

【ステアリン酸マグネシウムと相互作用を起こす可能性のあるAPIの例】

  • Acidumsalicylicum
    Albuturol sulfate
    Almotriptan malate
    Amlodipine
    Cefaclor
    Cilazapril
    Clarithromycin
    Clopidrogrel-acetat
    Diclofenac
    Donepezil-HCI
    Doxazosin
    Felodipin
  • Fexofenadine
    Fluvoxamine
    Fosinopril-Na
    Ibuprofen
    Isosorbidmononitrate
    Ketorolac
    Levofloxacin
    Metaxalone
    Metoprololsuccinat
    Metoprololtartrat
    Micronazol
    Nifedipine
  • Omeprazole
    Pravastatin-Na
    Ramipril
    Roxithromycin
    Sulfasalazine
    Sulpiderm
    Tramadol
    Trandolapril
    Triamcinolon
    Vitamin B 12(Cobalamine)

溶出時間、崩壊時間の改善

PRUV®はステアリン酸マグネシウムよりも親水性が高いため、溶出時間、崩壊時間を短縮することができます。

【口腔内崩壊錠の一例】

処方 PRUV® ステアリン酸マグネシウム
パラセタモール
200
VIVAPUR®102(結晶セルロース)
130
EMCOMPRESS®(第2リン酸カルシウム)
56
EXPLOTAB®(デンプングリコール酸ナトリウム)
10
PRUV®(フマル酸ステアリルナトリウム) 4  
ステアリン酸マグネシウム   4
打錠圧 12.8kN 24.8kN
錠剤硬度
5.5kp
化学構造式
崩壊時間 11秒 32秒

錠剤硬度の向上

PRUV®を添加することにより、錠剤硬度を向上させることができます。処方検討、スケールアップがより簡易になり、また生産効率も向上します。

打錠圧を変化させた場合の錠剤硬度

収率の向上

PRUV®は独自の製法で製造され、特徴的な形状や粒度、温度安定性が杵へのスティッキングを減少させます。


PRUV®は比較的不活性で、融点が高いことから高速直接打錠用の滑沢剤に最適です。

【他の滑沢剤との融点の比較】

融点(℃)
PRUV® 224-245
ステアリン酸カルシウム 150-160
ステアリン酸マグネシウム 120-150
ステアリン酸 55-70
ステアリルアルコール 55-60
硬化油 65-70
ベヘン酸グリセリル 50
セチルアルコール 50

過撹拌での打錠障害のリスク低減

PRUV®は過撹拌に対してあまり影響を受けず、ステアリン酸マグネシウム等で見受けられる錠剤硬度低下、収率低下などの打錠障害のリスクを低減します。

結晶セルロース 99%、滑沢剤1%